アニメについて、思った事を書く 140130

折角アニメ見てるんで、思った事を書いてみる。

白箱 才能が中心に据えられる業界 

業界物、職業物ってのは、単純に好奇心が満たされて面白い。

 

日本のアニメ業界の内部を自らが描いた作品で、それなりの信憑性はあるだろう。かなり厳しい現状が見える。

いい年してちゃんと働いた事がないので、よく分からないのだが、起きている問題の多くが責任の所在がはっきりしていない所にある様にみえる。才能が中心に据えられる業界の為だろう。

才能を持った人がスランプに落ちたり、問題を起こしたりしたとしても、彼らに責任を帰属させる事はできない。何故なら、彼らの才能が業界の半分を担保しているからだ。つまり、才能持った人には人格破綻者でもない限りある程度の裁量と、わがままが許されていると言う事。

しかし、ここで問題がある。才能と人間性というのは、イコールではない。むしろ天才は破天荒だったり、こだわりが強かったり、する人が多いのではないだろうか。しかもその破天荒さ、こだわりが経験として表現にフィードバックされるから始末に終えない。努力型もそうで、自分が頑張ってきたという自負がある故に、簡単には自分の考えを曲げないかもしれない。アニメーターに求められる資質に、コミュニケーション能力があげられたり、万年人手不足であったりする理由は、こういった事が一つあるのかも。

結果、しわ寄せがいく制作進行やライトノベルの担当編集者。彼らの中に適当な人物がいるのは、戦略的にそういった人格を演じているのか、元からそういう性格の人間なのか、たぶん両方で、そうでなければ簡単に潰れてしまうからなんだろう。

こういった状態で働いている人達は、仕事(アニメ)以外の経験や勉強、人間関係もできない、つまり職人になるしかない。職人が悪いとはいわないけれど、伝えたい物がある”作家”を、育てる事が出来なければ、将来はジリ貧。それは内部の人が一番分かっているのだろうけれど。

結局外部から、アニメに興味の無い人、愛が無い故に破壊と革新を起こせる人が連れて来られる。そして、愛が強い者は叩きのめされて、天才とコネを持つ者だけが生き残る。

改善の余地としては、資金を増やすというのがあるけれど、根本的にアニメの作り方を変えるくらいじゃないと無理なんだろうなあ。