アニメについて、思った事を書く 140130

折角アニメ見てるんで、思った事を書いてみる。

Wake Up, Girls! (TV版)  アニメとアイドル

(ここで言う”アイドル”は全て日本のアイドルとする)

 

”アイドルアニメ”は、大枠で捉えれば上手く棲み分けをしながら

多岐にわたって作られてきたジャンルだ。

そういった中でも、昨今終わりつつ在る、アイドルブームもあってか

アイドル自体を主題にしたアニメが流行のようだ、代表的な物は、

 

AKB0048(半理想化、プロ、対世界)

アイドルマスター(理想化、プロ、日常)

ラブライブ(理想化、アイドル結成を目指す、対社会)

         

                          といった所だろうか。

 

今放映中のWake Up,Girls!も、その路線であり

もはやアイドルには必要不可欠となった

ドキュメンタリー的な手法を、非現実のアニメで再現するという

メタ的で、倒錯した構造だ。

アニメに出てくる風景は、現実に存在する場所をモデルにしている。

声優は素人からオーディションで決め、彼女達自身も平行して、アイドル?声優?(今の時代では、そういった括りはもはや無意味だが)として売り出すという

現実とアニメが、互いにシンクロする様な仕組みだ。

(しかし、真反対にあたるAKB0048は先見の明があるというか、なんと言うか、秋元さんは、やっぱりすごいなーと思う。)

 

 ”アイドル”のドキュメンタリーで難しい所でもあり、面白い所はやはり、

理想化と現実とのバランス感覚だろう。

夢を売る仕事(作品)でありながら現実を見せるという矛盾だ。

逆に、上手くいけば、現代の目が肥えた客を、深く感情移入させることに、これほど効果的な方法はないのだが。

近年では、メジャーな宣伝の方法の一つとして、商品に付随する”いい話”(ストーリー)を売るという、考え方もあるくらいだしね。

 

初音ミクに代表される、広義でのアイドルとアニメ(理想化)との親和性の高さは、様々な所で論じられてきた。

 

ところが、どうやら今回のWake Up, Girls!の様な”アイドルアニメ”に

ドキュメンタリー的手法は、相性が悪かった様だ。

 

そもそもアニメは、絵やキャラデザからして現実との乖離が甚だしい

そこを一度、受け入れさせさえすれば実写以上に

感情移入させられるのが、アニメの強みとも言える。

しかしWake Up, Girls! は、必要以上に現実を意識させてしまう仕組み故に

現実のアイドルと比べられてしまうことが、冷めた目線を呼び込み

感情移入を妨げることになってしまっているのだろう。

 

既にアイドルが

坊主になったり、恋愛がばれたりする時代の

実写ドキュメンタリーの圧倒的な迫力には、そうそう勝てない。

(アニメーターの役者としての能力とそれを絵に乗せられる表現力、演出、編集、音楽や、オーディション声優の一過性の輝きなどが、重なる奇跡がなければ、無理だろう)

そこと戦う為には、既にやられている圧倒的な理想化もしくは

オーディションで決めた声優を、AKBの様な凄いアイドルへ

実際に作り上げる位しかない。

そして、現実的で差別化も図れるのは、パロディー路線かな、もしかしたら目指すべき所はそこだったのかもしれない。

 

もし、次に”アイドルアニメ”が作られるとしたら

現代の消費速度の速い社会では

”アイドルアニメ”は、一ジャンルとしての定着をみたと判断され

パロディ(コメディー)路線になっていくのかもしれない。(すでに、このアニメがそうと言えるかもしれないが。)

 そして、アイドルアニメはジャンルとしては、終焉していくのだろうなあ。

 

 

 

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