アニメについて、思った事を書く 140130

折角アニメ見てるんで、思った事を書いてみる。

アウトブレイクカンパニー

面白い。

少しオタク文化を賛美し過ぎるあたりが

”クールジャパン”を思い起こさせ、少し恥ずかしくもあるが。

 

こういった社会の経済活動を書いたファンタジーは

狼と香辛料」や「まおゆう魔王と勇者様」といった作品があげられる。 

そういった中で、この作品の独自性

オタク文化という、コンテンツの輸出について書いた点か。

 

突っ込みどころは多いが

まおゆう(アニメ版)のように

と散らかって、終わるという様な事がなてくよかった。

バランスを、コンテンツの輸出の方へ、しっかりと振っているのが成功の要因。

 

 

仕掛けがうまい、昔からある、先進諸国の人間が文化的に未熟な地にいって

人間的な生活を教えて差し上げる(かなり上から目線だが)といった

よくある物語の形をラノベに持ち込んだものだろう。

 

主人公の慎一は、他の作品と違わず、女の子を危険から救ったりはしているが

それだけだと薄っぺらく、他の作品との差違を生み出せない。

そこで、アニメに関する知識を有することや、日本語が使えるという

視聴者の多数に、当てはまる設定(つまり、感情移入もしやすい)の慎一を、

エルダント帝国という未開の地へ放り込む事によって、特別な存在へと変える

さらに、それによって女の子から、尊敬と思慕の情を集めるという、

ラノベの基本形、お約束を、簡潔に作り上げる事に、成功している。

(ある意味勝てる所で勝負するという、ビジネスへの示唆にも思えるが。勘ぐり過ぎ?)

 

唯一の疑問は、文化的な男は持てそうだけど、それがオタク文化でもなのか?という事だ。

いくら、見たことのないコンテンツでも、目がデカ過ぎる女の子が、イチャイチャしてたり、

見た目にいまいちパッとしない、TVゲームといった趣味を、理解してくれる女の子が多いとは思えないのだが。

学校でも、みんな理解力あり過ぎだし。

(だからファンタジーなんだ、と言われてしまえば終わりなのだけど。)

 そこを文化の違いとして、物語をさらに膨らましてくれれば面白くなると思うう。

 

 他に気になる所は、エルダント帝国の社会的状況について描かれていない事だ。

誰かが、エルダントには、娯楽が少ない、という様な事を言ってた気がするけれど、何故なのか。

戦争、資源、土地などなど様々な要因が考えられるが

普通は居・食・住が整っていれば、娯楽は発達するだろう。

 社会的状況と娯楽(文化)は密接に関係している。

なので、オタク文化の輸出や、それによる摩擦をかくんだったら

そこは不可欠なんじゃないかなーと思った。

例えば、文化的侵略は、アメリカとか、キリスト教がうまいけど、

それには、コンテンツの強さだけではなく、きちんとした戦略があったりする。

戦争で滅茶苦茶になった国に、娯楽を輸出することによって、それを浸透させたり

貧乏な国に食料と教育を提供しつつ、そこに自分たちの思想を忍び込ませたりなど。

そして、今は、多国籍企業がそれに変わっている、小さな頃から慣れ親しませる、マックのハッピーセット何かが代表かもね。

 

ただ、そこを詳しく書いてしまうと、エルダント帝国に対しては

オタク文化なんかより、もっと主力になりそうな輸出商品が

日本にはあるような気がしてしまうのだけれど。

 

 

話は戻るが、慎一は、日本の社会に帰ってくれば、ただの引きこもりのオタクにすぎず

もっとアニメに詳しい人や、社交性のあるオタクも沢山いるはずだ。

そこの所は局長の的場さんに言わせてるので、原作のほうでは、恐らく主人公が人としての深み(成長)を獲得していく事になるのであろう。

 

なんにせよ、冒頭での商業アニメの一つの型(お約束)を作る煩わしさを省略できた為、限られた話数の中で、他の部分に力を割り振ることができた。

その設定のうまさが光る作品かと。

 

 

 

アウトブレイク・カンパニー 1 初回特典:ゆーげん描き下ろしダブルコスチューム仕様ジャケット (劇中+アラビアンタイプ)&榊一郎書き下ろし/ゆーげん表紙描き下ろし短編小説1『あ うとぶれいく学園』(50ページ)付き [Blu-ray]