アニメについて、思った事を書く 140130

折角アニメ見てるんで、思った事を書いてみる。

魔法科高校のスピードワゴン

解説し。会議する。さりげなく説明し、冷酷に諭す。

 

このアニメの面白さは、研究所的な校舎のヴィジュアルや電子音に表れている様に、説明、納得感にある。なんとなくそうであると思わせる力。

例えば錬金術には同等の対価が必要であるとか、魔法を使うと記憶がなくなるとか、体の神経に強制的に電気を流す事によって速く動けるようになるとかいった。ああ、確かにそうなるかも感。(”とある魔術の禁書目録”はそこが失敗していたが)それは演出やセリフ、文章などによって達成される、このアニメは何だか分からない専門用語と説明、エフェクトの格好良さや、武器や器具のデザイン、玄人っぽいじいさんと、襟の立った制服、そして登場人物達の驚いた顔によってかなりの納得感を獲得している。

しかし、主人公がエンジニアという特徴故にいつも会議室と研究室を往復、たまに、競技に参加したかと思うと、また解説と観戦を行う。エキセントリックな絵作りができるギャグ系ならまだしも、比較的真面目なテイストの本作は映像化する時結構困ったんじゃないだろうか。読むのを途中で止めて考えたり、絵や図で分かりやすく説明できる漫画的題材。

 

制服のデザインが変、レースの色分けの意味は良く分からないが、それよりも大きな問題は、明らかに差別を助長するような花のあるなし、といったデザインはどうなんだろうか。

 

<劣等生>の扱いが笑える。<劣等生>とは、何も能力の差だけを表す言葉ではない、むしろその問題点の多くが心である場合が多いだろう。社会やクラスに馴染めない、人から助言されたり、認められたりしても屈折した性格から受け入れられない、モテない、といった様な。そういった<劣等性>に対しお兄様は、能力で完全に上回り、圧倒的な正論で喝破する。そこへ妹が優しく諭して、畳み掛けるという飴とムチ。かくして真の<劣等性>は、やり場の無い憎しみと深い挫折感を背負って去っていく。お兄様クール過ぎ。

 

と思って、wikiの設定を見てみるとお兄様はサヴァン症候群で、制服のデザインは発注ミスらしいです。

 

大人がほぼ不在で社会の様子が描かれていないし、テロ組織の活動内容の粗さからも分かる様に、題名から強く受ける印象の社会問題に主眼は置かれていない。人物描写についても、友人関係の簡単さ、テロに荷担した学生の軽さ、薄い恋愛要素に、全体のストーリーもない、つまり要素と各設定だけで成り立っている。確かにこれが流行るのは分かる気がする。視聴者が要素と設定から自己完結的に創造を膨らませられる。つまり、「データベース消費」的ってこと。

 

こういった映像作品は沢山あるけど、大抵見所がアクションとかCGとかの映像的見所になる。それがこの作品は解説だったという所が特異なアニメ。少ない分手間がかけられるアクションシーンは、確かに格好いいんだけどね。